禁断のプロポーズ

「なんでですか。

 それは、たまたま、あの人があそこに居たからじゃないですか」
と言うと、そうじゃないのよ、と言う。

「専務は私の王子様だったのよ」

「はあ……」

 外見以外の何処も王子でない気がするんですが、と思っていると、
「王子様はお姫様しか守らないはずなのに」
と桜は言い出す。

「王子なら国民も守るべきですよ。

 専務が秘書を守ってもいいんじゃないかと……」

「そうじゃないのよ。

 私が言いたいのは、そういうことじゃないの。

 私を守ってくれるはずの王子様が、別の女を守って、刺されたのよ?

 で、運ばれてくその姿を見て、思ったの。

 ああ、この人、私の王子様じゃなかったんだわって」

「落ち着いてください、桜さん。

 なんとなく言いたいところのことはわかりますけど」

「……どうでもいいけど。

 あんた、遠崎と兄妹だったの?」

「そこまで聞いてたんですか」
と言うと、桜が逃げ腰になる。

「なんですか?」

「いや、殺されそうな気がしたから。
 秘密を知って」

「殺しませんよ。

 智久さんに言われて、本当に兄妹かどうが、確かめることにしました。

 兄妹だったら、二人で海外に行きますから、探さないでください」