禁断のプロポーズ

 警察にも細かい話はするな、と智久に止められていた。

「これまでのこと、ちゃんと言った方がいいと思うんですが」

「そうなんだが。
 お前が後ろ暗いところが多そうだから」
と溜息まじりに言い出す。

「今度こそ、なにもかも洗いざらい話せよ」

「……わかりました。

 でも、私にもわからないことはたくさんあるんですけどね」

 そこで言葉を切り、物言いたげに智久を見ると、察したらしく、

「お前も、なにか俺に訊きたいことがあるのか」
と言ってくる。

「うーん。
 やっぱ、いいです」
と言うと、なんだとも言っていないのに、智久は、天井を見たまま、勝手に話し始めた。

「子供の血液型は、必ずしもメンデルの法則にのっとって決定されるわけじゃない。

 例外的なものもある。

 俺がRh−Bで、俺の両親が、二人ともRh+Aでも、然程、気にすることじゃない。

 例え、うちの母親の周りに、Rh-Bの男が居たとしてもな」

 Rh+の両親から、−の子は出るが、AとAからBはなかなか出ないだろうとは思うのだが。

 それに、問題なのは、智久の血液型がRh−Bなことではなく、彼自身がOだと偽っていたことなのだが。

 それはもちろん、智久もわかっていることだろう。