禁断のプロポーズ

「社内にももう引退すりゃいいのにと思うような、老人の顧問だの相談役だの居るぞ。

 あれも弱ってるが」

「だからもう〜っ。
 違いますってばっ。

 第一、夏目さん、好きになったとき、別に弱ってなかったじゃないですかっ」
と湯の中で暴れる。

 夏目はふと考えるような顔をし、
「でもまあ、お前の言うこともちょっと当たってる」
と言った。

 えっ、と不安になると、

「いや、お前が妹かもしれないから気になるってところじゃなくて。

 お前が妹かもしれないと思っていても、止められないってところだ。

 お前がもし、ずっと一緒に暮らしていた妹だったとしても、俺はお前を好きになっていたかもしれない」

「それは……問題ありますよ」
と言いながらも、死ぬほど嬉しかった。

「……なんか、私、夏目さんと会ってから、涙もろくなっちゃって。

 おねえちゃんに呪われそう……とか思ったら、おねえちゃんに失礼だけど」

「なんで、あいつがお前を呪うんだ」

 未咲はその問いには答えなかった。

 そのかわり、夏目の口づけにこたえる。