禁断のプロポーズ

「薔薇風呂って、薔薇買ってくるのか」
と訊かれ、

「高そうですよね」
と言ったあとで、思い出す。

「そうだ。
 いつか、道の駅で売ってましたよ。

 お風呂に浮かべる薔薇。

 パックに入ってて安かったです。

 きっと、ちょっと枯れかけたのから、綺麗な花びらを集めてるんでしょうね」

「なにかこう……

 お前と話してると、どうも庶民的な話になるな」
と呟かれる。

 まあ、確かに。

 ゴージャスな薔薇風呂の話をしていたはずなのに。

 パックに入ってて安かったはなかったか、と思う。

「夏目さん、もしかして、また浮気してないか確かめようとしてます?」
と言うと、素直に、まあ、それもある、と言う。

 嫉妬してくれるのが嬉しくもあったので、ちょっと笑って、

「キャンドル、取ってきます」
と言った。