禁断のプロポーズ

「待て。
 お前が五十万当てたこと、誰が知ってるんだ。

 第一、五十万当たったと聞いて、わざわざ入る奴、居るか?

 気が大きくなって、一瞬で使ってるかもしれないのに」

 ま、ありがちだな、とは思う。

 私も智久さんに返したいというのがなかったら、調子に乗って喋りまくって、みんなに奢って、大赤字になっていたことだろう。

「でも、桜さんは当たったってバレたら、誰かに家に火をつけられるかもとか言ってましたよ」

「……愉快な奴だな、平山は」

 そういえば、その五十万どうした、と言われ、

「もう全額はないんですけど。

 返せたら、智久さんに返したかったんで、しつこく持ってってみました。

 だから、今、鞄に」
と智久の家に持っていった鞄を叩いてみせる。

「お前の部屋を荒らしている途中で帰ったんだよな、犯人。

 俺が戻ってきたからかもしれないが、お前の鞄を見て、なかったから帰ったとか」

「五十万がですか?」

 夏目は渋い顔をする。

 言いながら、まったくその説は信じてはいないようだった。

「やっぱり、日記を見つけたから、帰ったんだろうな」