ソファに座った桜は、姉の日記を見ながら、
「そうそう。
行った行ったこの店」
と懐かしんでいる。
いやいや、本来の目的を外れてるんだが、と思っていると、膝で頬杖をつき、桜の横からそれを眺めていた克己が呟いた。
「本当にしょうもない……けど」
けど?
やがて、桜が日記を置いて、買ってきたケーキを取りに行く。
克己が日記を取った。
彼が開いているページを後ろから見て、未咲は言う。
「……私もそれ、ちょっと気になったんですけど。
私はよくは知らないから。
むしろ、今、なんで、克己さんがそこが引っかかったのかの方が気になりますね」
克己が振り向いたとき、
「風呂、入れるぞ」
と夏目が戻ってきた。
桜もケーキの箱を手にやってくる。
克己は閉じた日記をこちらに返しながら、小声で言った。
「みんなが寝たら、あとでおいで」
と。



