「懐くと、真っ直ぐ忠実に走ってきそうな感じで、可愛いね」
……褒めているのだろうか、それは、と思ったとき、外に出てきていた桜が言った。
「あら、水沢さん、今日も夏目家に遊びに行くんですか?」
「君も来る?
って、僕の家じゃないか」
そう笑った克己の言葉を引き取り、
「あっ、そうですよっ。
桜さんもどうですか?」
と訊いてみた。
酒を呑むのは、大人数の方が楽しいからだ。
「えっ、私?」
と桜は何故か赤くなる。
まさか、克己にも気があったのだろうか、と疑ってしまったが、そうではないようだった。
「あんまり会社の人の家とか行かないから、なんか落ち着かなくて、照れるのよね」
と桜は言う。
秘書課の中は、仕事のことだけでなく、恋愛事情や、誰が誰の愛人でスパイなのかわからないことから、異様な緊迫感があるようだったから。
そんな風に馴れ合うことなど、今までなかったのかもれしない。
それは寂しいことだな、と未咲は思っていた。
せっかく、こんな個性的な人たちが集っているのに。
未咲は、桜の手を取り、
「ぜひ、来てください。
一緒に、コンビニで、なにか買って帰りましょう」
と訴える。
桜は照れたように笑い、克己は、
「……てことは、作らないんだね、君たちは」
と苦笑いしていた。
……褒めているのだろうか、それは、と思ったとき、外に出てきていた桜が言った。
「あら、水沢さん、今日も夏目家に遊びに行くんですか?」
「君も来る?
って、僕の家じゃないか」
そう笑った克己の言葉を引き取り、
「あっ、そうですよっ。
桜さんもどうですか?」
と訊いてみた。
酒を呑むのは、大人数の方が楽しいからだ。
「えっ、私?」
と桜は何故か赤くなる。
まさか、克己にも気があったのだろうか、と疑ってしまったが、そうではないようだった。
「あんまり会社の人の家とか行かないから、なんか落ち着かなくて、照れるのよね」
と桜は言う。
秘書課の中は、仕事のことだけでなく、恋愛事情や、誰が誰の愛人でスパイなのかわからないことから、異様な緊迫感があるようだったから。
そんな風に馴れ合うことなど、今までなかったのかもれしない。
それは寂しいことだな、と未咲は思っていた。
せっかく、こんな個性的な人たちが集っているのに。
未咲は、桜の手を取り、
「ぜひ、来てください。
一緒に、コンビニで、なにか買って帰りましょう」
と訴える。
桜は照れたように笑い、克己は、
「……てことは、作らないんだね、君たちは」
と苦笑いしていた。



