禁断のプロポーズ

 



「見せてみろ」

 人気のない時間帯、未咲は智久に昨夜の話をしていた。

 智久はあっさり、それを見せろと言ってくる。

「今、持ってません」

「嘘をつけ。
 お前の性格から言って、持っていないはずがない。

 確かめる機会を窺っているはずだからな」

 そう言われ、渋々、ポケットから出した。

 桜にも見せるべきだったが、見せた瞬間、嫌なことを言われそうだったから。

 だが、その嫌な台詞は智久の口から出た。

「見覚えがあるな」

「ええっ!?」

「……なんだ、その反応。
 聞きたくないのか?」
とそれを手に言う。

「い、いえ、お願いします」

「お前の姉さんのイヤリングだ」

 智久は笑って言った。

「渋い顔だな」
と。

「なんで専務がそんなこと知ってるんですか」
と教えてくれなくていいことを教えてくれる智久を睨むと、

「なあに、話は簡単だ。

 これは、組合のボウリング大会の景品だからだ」
と言った。

「景品?」