禁断のプロポーズ

「そのわかりにくいイヤリングをどうやって見つけたのよ」

「はあ。
 箪笥の角に小指をぶつけまして」
と言うと、

「死ぬ程あんたらしい理由ね」
 泣けてくるわ、と言われる。

「で、遠崎は、それ、なんて言ってるのよ」

「訊いてません」

「あんた、遠崎のこと好きなわけでもないんでしょ。

 なんで訊けないのよ」

「いや〜、だから、もしかして、好きなのかなあ、と思ったり。

 単に、今の暮らしが気に入ってるから、手放したくなくて、余計なこと訊きたくないのかもと思ったり」

「そんなに快適?
 あの古い家の暮らしが」

「落ち着くんですよー。

 お風呂も昔ながらのタイル張りなんですが、あのレトロな感じがなんとも。

 おばあさまも、夏目さんも、綺麗に住んでらしたみたいですしね」

「ふうん。
 まさか、薪で焚くんじゃないでしょうね」

「いや、そこまでじゃ。
 ああ、でも、もしかたら、焚けるのかも」

 今度やってみようかな、と呟くと、
「あんた、何処目指してるのよ。
 なにしに遠崎の家に居るのよ」
と最もなことを言われた。