禁断のプロポーズ

「それは、社外には、違う誰かが居るということか」

「そ、そうじゃないですけどー」

 答えながら、やはり、尋問だ、と思っていた。

「……社内でも、俺より、気になる奴が居るだろう」

「えっ、誰ですか?
 水沢さん?」
と言ったが、夏目は答えなかった。

「式は挙げるのか?
 すぐに籍だけ入れてみるか」

「もうっ。
 話誤魔化さないでくださいよっ」

 シャイなのかなーと思ってると、突然、強引になる。

 で、このまま、引っ張ってってくれるのかなー、と思っていると、また突然、恥ずかしがる。

 今まで会った男の人の中で、一番わかりにくい人だ、と思っていた。

「仕事じゃないんですから、取り敢えず、契約しようとか思わないでくださいよー」
と訴えると、

「だって、不安になるじゃないか」
と言い出す。

「え?」

「ぼんやりしてたら、誰かに持ってかれるかもしれないだろ。

 あまりこういったことに興味のない俺がいいと思うんだ。

 他の奴もお前をいいと思っているに違いない」

 いやあの、人には好みってものがあると思うんですよね。