禁断のプロポーズ

「日記が取られたというのは、嘘だったんだろう?

 何故、お前は今、此処に居る」

「え、えーと。
 貴方を調べるためにですかね?」

 迫力に押され、本人を目の前にして言ってしまう。

 当然の答えが返ってきた。

「結婚する気がないなら、出て行け」

「えーっ。
 嫌ですよー。

 まだ、なんにも貴方のこと、わからないのに。

 ご飯も美味しいし」

「どっちが本当の理由だ」

「ご飯美味しいし、この家、なんか好きだし」

 俺は? という顔を夏目はしたが、いや、面と向かって、そこに貴方を加えるのは、抵抗があるじゃないですか、と思っていた。

「じゃあ、まあ、此処に居ればいい」
と夏目はそれ以上の言葉を諦めたように溜息をついた。

「え?」

「予定通り、此処に居て、俺と結婚して、俺のことを探ればいいじゃないか」

 なにか口調が捨て鉢だ。

 このまま機嫌悪く居られても厄介だ、と思い、多少の言葉を付け加える。

「えーと……。

 社内の人の中では、夏目さんが一番好きです」

 敢えて、名前で呼んでみた。