禁断のプロポーズ

「可もなく不可もなく。
 特に問題もない奴だ」

「じゃ、問題じゃない、いいところは」

「……わりと、忠義心が強いというか」

 なるほど。
 そういう人間も使えるな、と思った。

 灰原との間をとりもってくれた克己に感謝して、彼のために動いてくれるかもしれない。

 克己のことだ。

 梅本には悟られずに、うまく情報を聞き出すことも可能だろうし。

 夏目の寝首をかけ、と言った智久を思い出し、みんな、この人のことを警戒してるんだな、と改めて思った。

「なんだ?
 梅本がどうかしたのか」

「いいえ。
 どうもしません。

 ちょっと気になっただけで……。

 いえ、そういう意味じゃなくて。

 いやあの、灰原さんをお好きみたいで。

 克己さんが間に入って、いろいろ世話されてたんで」

 話すまいと思ったことまで、夏目の視線に押されるように話してしまう。

 怖いよ。

 ごめんなさい。
 梅本さん。

 今、我が身を守るために、貴方を売ってしまいました。