禁断のプロポーズ

「美味しかったですよね、水沢さんの作ってくれた朝ごはん。

 たまには、ちょっとスパイシーな朝ごはんもいいですよね」

 南国風の朝食は、見た目も鮮やかで綺麗だった。

「じゃあ、水沢さんと結婚しろ」

「嫌だなあ。
 朝食目当ての結婚とか。

 女が胃袋つかまれてどうするんですか」
と言うと、最近は、ありだろう、と言う。

「たまにだからいいんですよ。
 普段は和食がいいです。

 課長のご飯、美味しいです」
と微笑んだあとで、

「大体、水沢さんは、私には全然興味ないですよ」
と言うと、

「そうかな?」
と言う。

「あの人、本当になにか探りに来たのか?

 単にお前に気があるから来たんじゃないのか?」

「そんなわけないじゃないですか。

 あ、そうだ。

 ……えーと。

 水沢さんが、特に親しくしていた第二の秘書の人って居ますか?」


「なんでだ?」

 いや、昨日、第二の誰かに昔、騙されたのかと訊いたら、傷口をえぐるなと言われたからだが。

 そんな話を克己に断りもなく、するわけにはいかない。