禁断のプロポーズ

 



『夏目はやめておけ』

 夏目が買ってきてくれたコンビニの季節のサラダをつつきながら、未咲は、彼の横顔を眺める。

 夏目はまた、見てるのか見てないのかわからないスポーツニュースを眺めている。

 どうも真剣に見ているようには見えないのだが。

 ずっと真正面から向き合って食べるのが気まずいから見てるだけなんでは、とちょっと思っていた。

 今日の夕食は、未咲が揚げたカツと、夏目が持って帰ったサラダと、一昨日の残りの煮物だ。

 これ、昨日、水沢さんと呑んだとき出せばよかったな、とその煮物を食べなが思う。

 夏目が作った煮物は、酒に合いそうな味付けだった。

 未咲は、煮物に酒を入れないが、夏目は入れる。

「日本酒には、日本酒で味付けした煮物。

 焼酎には、焼酎で味付けした煮物が合うそうですね」
と言うと、夏目はようやくこちらを向いた。

「また呑みたいのか」
と訊かれ、

「違いますよ〜。
 今日は冷たい麦茶が美味しいです」
と言いながら、お店で出てきそうな、なんの変哲もないがレトロで可愛いグラスに口をつける。

 氷がグラスまでよく冷やしていて、美味しかった。

「あーあ、水沢さん、また来てくれないかなあ」
と呟くと、夏目は箸を止め、

「……なんでだ」
と問うてきた。