禁断のプロポーズ

「じゃ、佐々木さんが来たらいけないから、もう行きますね」

 はい、とそういえば、持ってきたんだった社内回覧をデスクに置いて、行こうとすると、

「未咲」
と呼びかけてくる。

 振り返ると、智久は、
「使えないスパイだが、情がないわけでもない。
 だから教えてやろう」
と言ってきた。

「お前、夏目はやめておけ」

「え」

「お前は必ず、後悔する」

 ちらと人気のないガラス張りの廊下を見、
「行け」
と言った。

 ちょうど佐々木が専務室の入り口のドアを開けるところだった。