禁断のプロポーズ

 そのまま、智久は本当にお金を貸してくれた。

「親には学校の先生が貸してくれたとでも言え」

「そんな学校の先生居ません」

「校長先生が貸してくれたとでも言え」

 そんな校長も居ないと思うが。

「お前の実の親の知り合いが貸してくれたと言え」

 うーん、まあ、それなら。

「昔世話になったからと言われたとかなんとか」

 そう言い、彼は強引にお金を貸してくれた。

「本当になんで、こんなに親切にしてくれるんですか?」

 改めてそう訊くと、智久は小さく笑ってなにか言ったが、聞こえなかった。

 だが、そのときの口の動きが今もなんとなく、頭に残っている――。