…トンッ





壁とあおくんに挟まれている私、じゃない″挟まってしまった″私

あおくんは、先ほどの表情と打って変わって笑顔だ。




「ねぇ」



「は、はいっ!」



突然声を掛けられ、目を逸らしながらも答えるあたし



「なんで目、合わせてくれないの」


うっ……


「ほ、ほらなんか…その…」

な、何かされそうで...


……クイッ




残っていた片方の手で顎を持ち上げられる。



ドキッ


あおくんから目が離せなかった。


茶色がかった二重で切れ長の目
少しふわっとしてるミルクティー色の猫毛
すっと通った鼻筋



顔が整いすぎて、ホントに誰もが虜になる。






「俺の事、幼なじみ以前に男だって知ってる?」


も、もちろん…!

あおくんが女装している姿を思い浮かべる。


それはそれで似合うのだけれども
という本音は隠しておく。




ププッ

なんか笑えてきた。




「何笑ってんの?」

「い、いやっ!そ、そそそんな!」



ひぃぃぃ!!!

怖いよ!目が怖いよ...!!





「まぁ、いいや。これから1年間よろしく」





そう言ってあたしの唇を奪った。








チュッ


怪しげな音をたてて





......