「や、山河くんっ!」 放課後、帰ろうとしている山河くんに勇気を振り絞って声をかけた。 昨日とは違ってすぐに私の方を向いてくれ、何?と小さく呟いた。 「あ、あの……一緒に、帰らない?」 突然の私の誘いに山河くんは目を丸くして、一瞬固まっていたけれど、 「別に、いいけど」 と言いながら歩き始めた。 まさか、そんなにあっさりオッケーをもらえると思っていなかった私は、少しびっくりして、山河くんの後ろに慌ててついていった。