沖田がえらく驚いている。

総「いゃでもたしかにあいつら、おねーちゃんとか言っていたな。」

一「あぁ。因みにこの事を知っているのは俺とお前だけ。他言無用だ。」

一さんが珍しく命令した。

総「はいはい。わかってますよ。」

そういって沖田は、私の目の前に来た。

総「確かに君の事敵では無いと認めましたが仲間であるとも思っていません。因みに
「「因みに僕は女が嫌いです。出来る限り僕に不快感を与えないでほしい。」とあなたはおっしゃります」…………それが、不快感だと気づかない所が凄いよね。

「………残念ながら私のこれを皆が不快感に思っていることなど知っている。しかしながらこれが私の本来の姿である以上隠すつもりも後ろめるつもりもない。偽りの自分を万人に好いてもらうより本来の自分を一人に好いてもらうほうがよほど幸せだと私は、思う」

一「それは俺も同意だ」

一さんが頷いてくれた。

総「………………ねぇ二人は恋仲なの?」

沖田が爆弾を投下した。

さすがに私もこれは予想できなかった。

「何言ってるんだよ。そんなわけない。」

一「俺はただ咲見をあの狼の巣で安全に暮らさせる事だけを考えている。」

「そーだね。私も一さんなら安心だよ。」

総「どっから聞いても恋人じゃないか」

「どちらかといえば一さんは兄と言う感じだよね。」

一「確かに俺も咲見の事を異性としてではなく家族として守りたいのかもしれない」

総「ふーん。じゃあ僕は君のなんなの?」

「……………。沖田は………ガキ?」

総「君にガキ扱いされるなんて虫唾が走るね。」

ブラックオーラが怖いぞ沖田。

「今はまだ沖田のこと尊敬とかは無い………
いや今日のでちょっとだけ、あるけどまだ
あかの他人でしかない。」

一「総司には"さん"を付けないのか?」

「つけるに値しないからね」

総「いい加減にしないと君殺すよ」

「帰ろう一さん」

総「無視なんていい度胸だね」

一「そうだ総司。お前甘味処へ行ったのか?」

総「……あぁ!!!行ってない!僕行ってきますね!!一君咲見を頼みましたよ」

そう言って走り去って行った。

一「ではもう一度見立ててもらいにゆこう」

「え?もう、見立ててもらいましたけど」

一「今度は女物の着物を買えばいい」

「女物っ!?なんで?」

一「咲見が女だからと言う理由ではダメなのか?それに、いざという時あっても困りはしないだろう。」

一さんがそんなことを言うなんて予想していなかった。

「……………土方に見つかったらそう言った趣味があるのだと思われないか?」

一「安心しろ副長の心は広い」

「いや狭いよ。」

一「副長は勝手に人の持ち物をあさらないと思う。」

「そうか?」

一「そうだ。」

「一さんがいうのなら信じよう」

そうして、私と一さんは着物を買いに歩き始めた。