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今日は、卒業式だ。




アマネさんが、学校を去る。同時に鬼塚さんも。






「お元気で。」


「あんたもね。」





いつも通りのセーラー服に、グレーのカーディガンを着たアマネさんの胸には花のブローチがついている。




「鬼塚さんも。」


「おーありがと。」




僕は何度か鬼塚さんと話をする機会があって、自分の想像とかけ離れていたことに驚いた。もう慣れたけど。


アマネさん以上にサバサバした人で、面白い人だった。傷は絶えないけど…。





「お二人がいなくなっても、ここは安全でしょうか。」



アマネさんは僕に話してないことがあった。まあ、それもこの半年で僕にばれたけど。



それは、麻耶さんと一緒に学校中、町中で喧嘩をしていたこと。いまはもうすっぱりやめたけど、不良たちに一目置かれる存在らしい。


通りで威圧感があるわけだ…。








そんな2人が、ここを去る。