ふう、とアマネさんは息をついて、話を止めた。



「協力、って…?」


「…マヤの、苗字は鬼塚。鬼塚麻耶っていうの。」





おにつか。


その名前は聞き覚えがあった。




「鬼塚さん…」


「前、あんたに知ってますか?って聞かれた時、知らないふりをしてごめんね。こんな話をすることになるとは思わなかったのよ。」





言いたくないことも色々あるしね、とアマネさんは苦笑した。



「麻耶は今じゃ不良を牽引するような立場にいるけど、悪い子じゃないの。何が悪くて何が良いかわかってるし、理不尽な暴力もしない。あたしがあんたの話をしたら、自分の部下にいじめをやってるやつがいるなんて恥ずかしいって言ってたわ。自分の教育不足、監督不行き届きだって。」



笑っちゃうでしょ、とアマネさんはケラケラ笑っていた。





「それでまあ、あたしも加わって色々と説教して、教育的指導を施したってわけよ。」


「そうだったんですか…」





情報量があまりにも多すぎて頭を整理するのが大変だったけど、なんとか理解できた。と、思う。



「ま、そーゆーことよ。重い話で悪かったわね。」