「…あたしはもう行かなきゃ。痛み止めも、そろそろ効いてきたでしょ?気をつけて帰りなさいね。」 僕の方を見ないまま、そう言われた。 「あ、はい……」 話は終わりよ、という言葉にならない意思を感じて僕はそれに従う。保健室を出て行ったアマネさんを見送ってから、僕も家路に着いた。 一人きりの自宅で、アマネさんの言葉を反芻する。 「あんたなんじゃないの?」 その問いかけが何度も聞こえる気がした。