椅子に座るのは痛いな、と思っていたらベッドに座らされた。僕の思ってること、分かったんだろうか。


「服、脱いでなさい」と言ってアマネさんは何かを取りに行った。



朝、やっとの思いで着た制服をまたやっとの思いで脱ぐ。腕を上げたりするのも、痛いな…










「………」



僕の体を見たアマネさんが、まさに絶句、という表情で固まった。



「…気持ち悪いですよね。」



ごめんなさい、と言ってせめてシャツだけでも着ようとすると、アマネさんに止められた。




「手当が先よ。それに、別に痣と傷に驚いたわけじゃない。」



あんまり貼ると寒くなるから、と言ってシップの枚数は最小限にしたいらしい。


どこに貼るか、うんうんと悩みながら背中にシップを貼ってくれた。


腹回りもまあまあアザは酷いけど、お腹冷えるからね。とブツブツ言いながら、アマネさんは右腕の酷いところにシップを貼った。





「…ちょっと触ってもいい?」


あばらが結構色が酷い。だからだろう。触ってわかるのだろうか、と思ったけれど、別に構わないので了承した。




「こうするだけで痛い?」「息をしてる時は?」「深呼吸は痛いのよね?」などと質問されて、僕はそれに答えた。





「…折れては、ないと思う。ただ、治るのには時間がかかるかもね。」



腫れ方を見る限り、折れたりヒビが入ったり、という感じではないと言われた。そうか、じゃあ時間が経てば治るかな。




「ただし、絶対安静が条件よ。また殴られたりしたら、もうわからないわよ。」


「…はい。」








結局、一番酷いのはあばらだったようだ。次に足首。アマネさんがどこからか持ってきたサポーターがなければ、そろそろ僕も歩きたくなくなるほどには痛かった。