「…離して」


「その前に顔を上げろ」


「いや」


「上げろったら上げろ!」


「いやって言ってるじゃんっ!」




思わず声を荒げしまい、ハッと顔を上げると昴の目を視線が絡み合う。


その途端、昴の目が見開かれる。




「お前…なんで泣いてんだよ」


「…泣いてない」


「…はぁ」




重い溜息をついた昴に私の身体はビクッと反応する。