「…あつい」
溶けそうだ。と、愚痴を零せば左側に座っていた人物が私の方を向いて頷いた。
「本当最近暑すぎでしょ」
手でパタパタ扇ぐ彼女は、高校に入ってから出来た友達で、今では親友だ。
「てか暑いと言えば、もうそろそろ夏休みじゃん」
私をチラッと見た彼女は萩原みかん。
可愛らしくて美味しそうな名前とは逆に見た目がケバいのだ。
髪はドが付くほどの金髪で、つけまつげでバサバサしている目の縁。
今も、教室内だというのに気にせず爪にマニキュアを塗っているではないか。
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