「花っ!」



昴だ。



昴の顔を見た瞬間、さっきあった出来事なんて忘れた私。




何時間待ったと思ってんだバカ。と、言いたくても口から出るのは空気が漏れる音だけ。




「ごめん…ごめんな」




なんで昴が泣いてるの?って笑いたいのに、口から出たのは真っ赤に染まった血の塊。




「すぐ終わると思って先輩を誘った俺がバカだった…。
こんなことになるなら…!」




整っている顔をくしゃくしゃにして泣いている昴。


その雫が私の顔に落ちてきてくすぐったい。