待ち人か…。 あとどれくらい待ったら、私のもとに来てくれるのだろうか。 私の近くには待ち合わせしたカップルが溢れかえっている。 どこを見ても、彼女は綺麗に着飾って、彼氏はその彼女の姿に頬をだらしなく緩めている。 ケータイのロック画面を見ればもう8時。 いつの間にこんなに時間が過ぎてたんだろ…。 不思議に思っていた私の思考は、突如聞こえてきた大きな破裂音によって考えることをやめる。 ゆっくり視線を爪先から空へと向ける。 「…きれい」 そこには暗闇の中に立派に咲くたくさんの花が。