やがて、紗江と男性は駅前にある外資系の大きなホテルの入口へ消えた。

「ああ……」

もう、これ以上は胸が苦しくてついて行けそうにない。


紗江が男性とホテルへ……。


「ま、こんなもんだろ」

満足そうに涼がスマホをしまいながらうなずいた。

「困ったね……。どうしよっか」

「どうもこうもないさ。明日また調査を続けるしかない」

なんでもないような口調で涼が言った。

「ええ? まだ続けるの?」


もう十分じゃん。


写真を太一に見せればそれでこの調査は終わりのはず。