隣に萌絵がいないから、そっちを向くわけにもいかないし。

さっきよりモヤモヤした感覚は大きくなっているよう。


これって・・・・・・。


この感情って・・・・・・。


ザザッ


ふと、思考は土を踏みしめる音に中断された。


「あ・・・・・・」

私の前を、女子生徒がうつむき加減で通ったかと思ったら、そのまま右のベンチに腰かけたのだ。

彼がほほえんで女子生徒を見る。

女子生徒はなにかを彼に言っているらしい。