料理の出来ない自分に 内心 焦っていた。
そこに天使の微笑みがキラリと光った。
「 良かったら 私が作ってもいい?」
お? 聖奈さんが 作るの?
ん~ 葵の彼女としては 私が作って キッチンで葵が後ろから ぎゅう~ なんてされてイチャついたり…
って違う!
じゃなくて、彼女として作りたいけど真っ黒焦げを食べさせたら罰当たりそうだし…
緑茶を愛する葵のためっ、健康優先!安全第一で プライドなんか 屁のカッパよ!!
「 聖奈さんが作るの?いいね、俺 酢豚がいい 」
え…
「 ふふ。葵くん 変わってないね 」
え?
「 聖奈さんの料理うまいから 」
なぬっ!
「 ありがと。しっかり作るわ、楽しみにしてね 」
ちょっと、ちょっと… なにこれっ
「 椿ちゃん、私が作ってもいい?」
へっ……
そうきちゃったか。
「 はい、ぜひ~」
私のプライドなんて欠片もないわけね…
葵の眼中にないんだわ…
私 かわいそうじゃん。
って言うかさ!
一緒に作りましょ?とか言ってくれてもいんじゃございませんの?
そもそも 葵と知り合いはわかったよ、雅くんと関係あるからなわけだし?
元にある関係って なんなの、知りたいわぁ…
聖奈が夕食を作るということになり、葵は好物なのか酢豚をオーダー、私は微妙に蚊帳の外。
悶々とする私をよそに、二人は楽しげに歩き出す。
可愛い彼女の私を二の次にしちゃって!
葵なんか… 拗ねてやるっ

