聖奈の笑みに私は恥ずかしくなった。
なにやってんだか…
「 あの、え ~…」
「 初めまして、伊藤 聖奈です。葵くんの彼女?」
可愛い人だなぁ…
挨拶する聖奈に、私は木から離れた。
私もちゃんと挨拶しないと。
「 私 織原 椿っていいます 」
「 俺の椿… あ、彼女 」
俺のって、俺の椿って言おうとしたよねぇ
普通に照れるし~
でも 言い直さなくて良かったんじゃないの?
間違ってないし。
葵を見れば上目遣いで照れていた。
それを見て私まで さらに照れた。
私、何回 鼻血出す予定かなぁ…
「 二人ともよろしくね 」
聖奈はクスクス可愛い笑み、私と葵は別々で変に照れていた。
「 あ、聖奈さん、やっぱり兄貴に会う? 会いたいんだろ?」
雅くんに会いに来たんだ…
やっぱ彼女かな…
「 …会ってくれると思う?」
「 会いたいなら会えばいいよ 」
私は葵の言葉に うんうん と頷いた。
会いたい気持ちは我慢するもんじゃないよ、会いたいんだから。
うつ向き考え込んでいる聖奈。
そんな時、私の携帯が鳴った。
「 わ!…あの、ごめんなさい…」
もう、おばぁちゃん…
私は後ろを向いて 電話に出た。
「 はい、うん… わかった、はーい 」
おばぁちゃんめ、孫よりビンゴ会とは…
まぁ、楽しいのはいいことだよね。
「 葵、夕飯なんだけど おばぁちゃん出かけるから ごめんなさいねって。だから、私が作るよ 」
料理できないけど、やれば出来るよ、私は。
……たぶん。
不安だけど、炒飯とかなら、たぶん?

