お隣さんと内緒の恋話


笑里は私が葵を好きだと気づいていた。


私 顔に出るのかな…


笑里に腕を組まれ教室に戻るが半分 放心していたとこに香伊羅が来る。


「 椿~ ボケッとしてないでトイレ行こうよ 」


香伊羅にトイレに連れ込まれた私は トイレの壁におでこをくっつけていた。


どうしたらいんだろ…


玲音が私を好きで、私は葵が好きで、笑里にはバレてて、軽い脳ミソじゃ回んないよ…


「 椿?トイレの壁にキスはよくないんじゃない? かなり ばっちいよ 」

「 そうだけど!今 頭ん中がクモの巣だから…」

「 はいはい、クモの巣とは珍しいことで。話してみなさいな、香伊羅様が聞いて差し上げますわ 」


どちらさんよ、あんたは!


「 ………あのさ、」

「 溜めが長いよ、椿!ズバッと言いなよ~」

「 玲音に告られたし、笑里には玲音の気持ちに返事しろって… なんでわかったのかなぁ 」


ほんと、なにがどうなってんだか…


「 考えすぎ~ 好きか嫌いか。で、椿は玲音をフリますっと 」


香伊羅、淡々と言ってくれるけど なんか変にこじれそうな…

でも やっぱ心のままに動くべきよね!

だって私は 葵が大好きだからっ


「 で、椿はトイレいいの?うんちは?」

「 私はガキか!ないわっ」


笑う香伊羅と教室に戻り、授業は進み昼休み。

また話そうと言っていた玲音が私に耳打ちする。


「 メシ食ったら図書室な 」


お腹が空いては戦は出来ぬ…

つまり、恋も空腹じゃダメ!

玲音がどこまで本気かは知らないけど、私には葵がいるもの。

きっぱり友達以上は無理って言わなきゃ!

だから… 食べるっ!

ふと視線を感じて振り向くと 葵が私を見ていた。


葵…?


「 椿~ パン買いすぎたから あげる 」

「 マジで!いやん、ありがとっ 香伊羅 」


香伊羅にパンをもらい葵に振り返るが 葵はもういなかった。


葵… どこ行ったの?