お隣さんと内緒の恋話


玲音に先生の雅でなく、自分を選べと言われ 頭の中で何かが回転しだす。


玲音… 今… なんと?


「 あの、玲音?今のは…」

「 まんまだよ、上山みたいな周りに女がいるような奴より 俺のがマシだって意味だよ 」


あ~ なんだ、そういう意味ね。


「 玲音、誤解してるし、選んでもないよ?」

「 ならいいけど。この際 俺ら付き合うか?」

「 あ~ それ… ん?……えっ!?」


玲音?何を言ってんのっ

私と付き合うって言った!?


開いた口が閉じない私に、玲音は私の頬を摘まんだ。


「 椿、俺と付き合わない?」


夢じゃない…てか。


「 玲音… あの、本気?」

「 嘘に聞こえるわけ?」


本気なんだ… でも、私には葵がいるんです。


「 や、そうじゃないけど… 」


ジリジリと私を棚奥に追いやる玲音。

後退りするしかない私は手を突き出して止まるようにした。


「 あ… 」


当たり前に手を掴まれる私は不覚。


「 椿、俺と嫌なのか? 別に俺らなら問題ないだろ 」


何が、今の会話すごく問題だよ?

だって私には葵がいるんだから!


「 玲音、ここ みんないるし、図書室だし、静かにしなきゃだし、何より好きな人が…」

「 は、誰?ってか、そんな嘘いいし 」


待て待て!嘘じゃないからっ

迫りくる玲音に私は 固まる。

来ないでぇ~!!


「 私!彼氏いるんだって!」


思わず出た大きな声が静かな図書室に響いた。


あ、しまった… ヤバいっ


「 はいはい、そこのお二人さん。何してんだ? 西脇は本じゃなくて織原を選んだのか?」


雅くん…じゃない、今は上山先生だよ、うん。

それに いいタイミング!