いつもいいところで現れる雅に 私も葵もあからさまにムスッとする。
「 おい~ 二人して なんだ その顔は 」
それはねぇ あなたのせいですよ?
わかりませんかねぇ…
「 上山先生、見ての通り まだ本を選んでるとこなので 」
「 見ればわかるよ 」
ほらね… 先生やっぱり わざとだ。
雅に対して葵は一言も喋らずいたが、無言のまま 私と雅から離れて行ってしまった。
「 葵…」
んもう!先生のせいだから!
「 あいつはよく拗ねるなぁ お子ちゃまだな 」
誰のせいよ、誰のっ
「 先生、私も本決めて席に…」
「 椿? 」
雅に話していると 私を探していたのか 玲音が私を呼んだ。
「 玲音、どうしたの?」
「 西脇、まだ決めてないのか?早く決めて席につけよ 」
そう言って雅は爽やかスマイルで他の生徒のところへと行った。
「 なぁ 椿… お前さ、やっぱ上山が好きなんじゃん?」
「 玲音… それ違うから 」
好きなのは弟の葵だもん。
「 最近、ダサ男もよく一緒にいるし、怪しい 」
「 え… 怪しいってなんで?話してたりするだけだよ 」
前よりは 近くにいたりするけど…
「 ほんとか?」
「 なに、ほんとか?って…」
玲音、意味深だよ、変。
「 とりあえず上山はやめとけよ、椿 」
え…
「 玲音、さっきも言ったけど 先生の事は…」
「 先生選ぶくらいなら 俺を選べよ 」
… はい?

