門に集まる女子の群れを柚奈と掻き分けながら隙間を抜けようとするが、なかなか通れず女子に揉まれてしまう。
「 ゆっ、柚っ… ちょっと 通れな… 」
上山先生のバカ~
なんで門なんかにいるのよっ!
「 椿!」
「 柚奈っ 引っ張って… えっ!?」
柚奈に手を引っ張ってもらおうと伸ばすと グンッと すごい力で引っ張られた。
「 ひゃ…!!」
引っ張られた腕先を見ると柚奈ではなく、ダサ男の葵の顔が見えた。
「 無事?」
な… んで、上山 葵?
返す言葉が出てこず呆けて葵を見上げる私を柚奈が見つけ駆け寄る。
「 椿!ちょっと 大丈夫?」
「 へ… あ、うん… 」
「 上山くん、いいタイミングじゃん。椿 助けてくれてありがと! 」
「 貸しにしとく、じゃ 」
助けも貸しも なぜか耳に入らなかった私は 葵に離された腕を握りしめていた。
すごい力…
ガッチリしてるように見えないのに…
「 椿? ダサ男見つめるより、上山先生見つめたら?」
「 ん~ 別に興味ないけど… 」
「 まさか… やだ、ダサ男くんが好み!?」
「 なんでそうなるの!柚奈、帰るよっ 」
柚奈ってば、変なこと言わないでよねっ

