お隣さんと内緒の恋話


雅に言われて すぐさま行動する女子たち。

男子も図書室が良かったのか 寝られると呟く者もいて 移動を始める。


「 椿、柚奈 風邪?」

「 あ、香伊羅、たぶん風邪かもね。あとでメールしてみるよ、図書室で 」

「 私 読みたい本あるんだぁ また 教えてね~ 」


香伊羅、意外… 本好きなんだ。

私 どうしようかな~


図書室に入ると みんな喋らなくなる。

かすれるような声にして 話すが 今この時間は静かだ。

それはなぜか… 上山先生がいるから。


「 みんな、一冊選んでから席につけよ 」


私は笑里と一緒に本を探すが、笑里はなぜかガーデニングに関する本を探していたため違う棚に行く事にする。


「 笑里、私 奥の棚に行ってくるね?」


そう言って 一番奥にある棚に入ると、そこには葵が本を手にして見ていた。


葵だ… なんか、様になってる…

何の本 見てるのかな?




静かに葵のそばに近寄ると、私に気づいた葵が笑みを見せる。


「 椿… 本選んだ? 」

「 ううん、まだ。葵は なんの本を…」


見ていたのかと聞こうとして ある人の声に遮られた。


「 上山、織原、決まったか?」


げっ… 先生!! って言うか 雅くんっ

なんでまた いいとこで現れるのっ


雅は教師の顔して笑みを見せながら私と葵に声をかけてきた。


絶対 わざとだと思うんだけど!