玲音と話していると葵が教室に来て席に座っていた。
葵が気になる私だが 笑里や壮真が教室に入り 私のそばに来る。
「 あれ、柚奈は?壮真 一緒じゃないの?」
「 柚奈なら休み、熱だと 」
熱!? うそ~ 葵のこと話したかったのに…
そっか、休みなんだ…
「 あとでメールするね、壮真 柚奈いないからって よそ見ダメだよ!」
「 するかよ、アホらしいっ 」
アホらしい!! ちょっと~
わいわいと話すのは毎日の事。
ただ違うのは ダサ男の葵と私に繋がりが出来たこと。
誰も知らない、先生であり兄である上山 雅だけが知ること。
そこに思わぬ黄色い声が教室に溢れ響いた。
「 え、何っ!? 笑里、なんなの!」
「 椿、上山先生来たよ!カッコいい~ 」
えっ、雅くん!じゃない、上山先生!
なんで?
「 はい、席に着いて~ はいはい、みんな静かにね? 実は 成沢先生がご懐妊で しばらくこのクラスを受け持つ事になった。よろしくな?」
な、なななな…
嘘でしょっ!?
色めきたつ女子の声に 私はさりげなく葵をチラリと見る。
葵は なんの表情も見せず そっぽ向いていた。
葵?
もしかして、知ってたのかな?
「 はい、女子~ 落ち着いて!一時間目は 図書室ね、移動しといてくれ 」
え~ それ、やだ…
なんで 図書室よ~

