私は不満げな顔をしていると思う。
雅が葵を連れて行ってしまう。
「 椿ちゃん、悪いな… 兄貴としては問題ないけど、一応 教師って立場があるから 健全さを持たせないとね? 」
そうね、そうでしょうね!
「 先生、わかってますよ 」
何よ~ 自分は健全じゃないくせにっ
「 雅くんって呼ばなきゃ、ね? 先生は学校だけ 」
ある意味、それすら健全に思えないんだけど?
「 雅、すぐ帰るから先に部屋戻ってろ 」
「 あ、そ?じゃ 椿ちゃん、明日学校でな 」
雅は笑顔を見せ 隣の自宅へと帰った。
葵、帰っちゃうんだね…
「 椿… 」
玄関ノブを持つ私の手ごと包み、ドアを閉める葵が私の手を繋ぐ。
葵を見上げる私に葵が 突然キスを…
柔らかく触れる葵の唇が私に重なる。
息を止めてしまった…
ビックリして。
葵が私にキスしてるから…
離れた葵の唇、葵は私のおでこに、自分のおでこをコツリと当てる。
その目は閉じたままでいる。
葵…?
「 好きだよ、椿… キス、したかったから 」
「 私も… 好き。私も 葵と… んっ 」
2度目のキスが優しく重なった。
しっかり繋ぐ互いの手。
温もりがお互いを行き来しているみたいだ。
雅に タイミングよく邪魔されてきたキスは葵の気持ちと一緒に降り注ぐ。
葵… 好き。
もう 嬉しすぎてどうかなりそう…
葵とキス、しちゃった!
きゃあ~!!

