雅の爽やかな笑みと共に 聞き捨てならない言葉を聞いた私は 静止した。
葵もまた耳を疑うようにして、雅を睨んだ。
ちょっと先生、葵の前なのにっ
「 雅… 」
あ、葵 怒ってる?
「 葵のステーキには負けるなぁ 織原、チキン食べるか? ほら 」
えっ!!
先生、おバカ!?
雅は葵を無視して チキンを一口、私の前にフォークで差し出した。
まさに、あーん!しろと…
「 雅、お前っ… 」
なんなの、なんなの~
なんか、先生… 葵を煽ってない?
これ、わざとだよねぇ?
「 織原、いや… 椿ちゃん、あーん!」
椿ちゃんって…
「 雅っ!!」
ちょっと~
こんなの やだぁ!
雅と葵の間で 私が戸惑っていると、雅の差し出したチキンを葵が横から奪い食べた。
「 あ… 」
「 ああっ、葵!?お前 食うなよ!」
葵、チキン食べちゃった…
「 雅、椿には皿に取り分ければいいだろ、余計な事すんな!」
そう言う葵を私は見つめ、雅は平然と笑みを見せていた。
「 椿ちゃん、次は俺と二人で来ような 」
また、先生はっ…
兄弟の間で口を挟めずいる私。
「 学校以外では、これから椿ちゃんって呼ぶよ。椿ちゃんも、先生じゃなくて雅って呼んで?」
「 椿、ほっとけ 」
二人って おもしろいな…
でも、絶対 先生は葵で遊んでるよね?

