雅が葵より先に頼んでやると言ってくれたが、内心は葵と食べ比べしたかった。
それ、おいしい?
食べる?
少しもらっていい?
いいよ、ほら… あーん!
……なんてね。
したかったなぁ…
先生とはしたくないし、葵は何頼むのかな?
「 葵、お前はスパにするか?」
そうだよ、スパなら私と食べ合えるじゃん!
「 …俺、ステーキランチ!」
え?
「 葵~ お前はなんで そうなんだ? 俺も織原も600円ランチだぞ!1500円の… 小遣いから引くぞっ」
あらら…
意外と肉食好きなのかな。
でも 小遣いから引かれたら痛いなぁ…
黙ったままの葵は 雅を無視してステーキランチを注文した。
雅はムッとしているが、葵も無表情で会話がない。
この空気は何っ!!
男兄弟って こんなんなの?
息苦しいってば~
そんな空気を 美味しい匂いが緩和してくれる。
私と雅のランチが先に届き、すぐあとに葵のステーキランチが運ばれた。
ハンバーグとチキンの匂いがステーキの匂いに負けてしまっている。
ステーキすご!
おいしそう~
そう思いながら 私はハンバーグを半分なや切り分け、雅に半分をあげるつもりでいた。
「 先生、ハンバーグ半分こです。どうぞ 」
「 お、サンキュ!そのままにしといてよ、あーん してもらうからさ 」
は… はい!? なんで私がっ…

