雅に言われ 葵と一緒に部屋を出た。

3人で駐車場に行き、雅の車に乗ると食事をしに出かける。

葵と後部座席に座った私は 隣にいるせいか体の半分が緊張し、心臓が移動したように思えた。


さっきまで抱きしめられていたのに…

なんで こんなにドキドキしてんの?

隣に座ってるだけじゃん…


「 お前らファミレスでいいか?」


うわ~ 普通だなぁ

イケメンの上山先生なのにファミレスとは…


「 どこでも いいですよ~ 」


私はファミレスよりも 何より 互いの手がすぐ握れるところにあるのに、葵が握ってこない事が気になる。


抱きしめても、手は握らないの?

おもいっきり空いてるのに…

手、繋ぎたいな…

葵は 私と同じ事、思ってくれたりしてるかな…

私から手握るのはちょっと…


「 もうすぐ着くからな~ 」


えっ、早いし!


手を繋ぐくらい、自分から行動してもバチはあたらない。

でも、葵から手を握ってほしい気持ちが先立ち結局 何もないままファミレスに着いた。

雅と葵が分かれて席に座ったため、私は当たり前に葵の横に座ると、雅がニッコリとし私を見た。


今の笑みは… なに?


「 で、何食べる?」


ん~ 私はランチでスパか…

いやいや、タラコスパだと歯の間にくっついたりするから~

無難にハンバーグ?

でもなぁ、チキンも捨てがたいし~


「 織原… そんなに迷うか? 何と迷うか言ってみろ 」


さすが、先生!

よくわかるなぁ~


「 実は ハンバーグかチキンかで迷ってて…」

「椿、それなら俺が… 」


葵が何か言いかけて横やりのように雅に遮られた。


「 織原、俺がチキン頼んでやるからハンバーグにしな 」


え… そうなの?