お隣さんと内緒の恋話


私の首回りで交差する葵の腕に手を添える。


私… やっぱり おかしいのかな~

玲音に支えられた時はドキドキしなかったもん。

葵とだって友達で、付き合ってもないし、まだ最近よく話すようになっただけ…

でも、嫌じゃないんだよね、私…

もしかして私、葵が好きなのかな?

ずっと気になってばかりだよ…



「 葵… あのね…」

「 西脇とは付き合ってないの?」

「 友達だから。玲音は友達だよ、付き合ってない 」


やっぱり、そんな風に見えてたんだ…


「 わかった… 」


え、それだけ?

こんなしっかり拗ねといて それだけ?


葵の腕が離れようとした時、私はすぐさま葵と向き合った。


「 椿?」

「 なによ!男のくせに拗ねちゃって… なんで抱きしめたりするの? わかったって、何が?」


私はなぜか自分でもわからないほどに口走っていた。

私は おかしい。

ジリジリと間合いもない距離を押すようにして葵に詰め寄る。


「 椿、怒ってんの?」

「 わかんない!でも、たぶん怒ってる。葵はなんで拗ねたの?ヤキモチ?」


なんで、キスしようとしたり、抱きしめたりしたの?

教えてよ、葵!


「 ……そうだよ、ヤキモチだ。椿と西脇が一緒にいるとこ見たら腹が立った、悪い?」


あ、開き直ったぁ!


「 葵、あのねぇ 開き直ら… 」

「 椿が好きだっ!!」


葵?

えっと、今、好きだって…言った?