お隣さんと内緒の恋話


雅の気持ちを知ったら気まずくて 葵には悪くて… それでも、お隣の関係が壊れる原因にはしたくない。

今までどおりがいい。



「 椿ちゃんは平気か? 俺は… 」

「 いいの!私なんかを好きでいてくれて 嬉しいし、勝手だけど 気持ちに答えられなくても やっぱり この関係を壊したくないから 」

「 わかった、ありがとう。じゃあ、今までどおり、好きでいるよ… 次が現れるまで 」



それはそれで嬉しい。

前向きにいかなきゃ!


「 じゃあ 私 行くね。パン、ありがと、美味しかったよ 」


私は先に出て、雅は教科書を見つめ 呟く。



「 後にも先にも君だけ… このまま好きでいたい、とは言えないよな 」



そんな雅をよそに、私は葵を探し、昼休みを一緒にと思い走っていた。


購買?食堂… どこだろ…


「 椿っ 」

「 葵!」


購買がある方へ走っているところを 葵が私を呼び止めてくれた。


「 昼はパン?」

「 うん、パン好きだから 」


なんて、葵が好きって知ったからね、私も。


「 それなら あるから来て 」


あるの? もしかして昨日の…

葵に言われて行くと、教室に戻った。

葵の席の前に座ると、葵がパンを出して見せる。



あれ、雅くんが買ったフランスパン…


「 葵、サンドイッチ作ったの?」

「 うまいよ、食べようぜ 」


私、サンドイッチなんか作った事ないです。