急に 胸の内が苦しくなった私は 柚奈に 保健室にいるからと1時間目を無理矢理サボる事にした。

パンを手にして 保健室へと行き、窓際のベッド回りにカーテンを引いて パンを食べる。



おいしいじゃん…

葵の好きなバジルパン、おいしいよ…

も、泣けそうだしっ



手で小さくちぎりながら食べていく。

校庭や保健室前からは生徒たちの明るい声が行き交う。

柚奈からメールで、壮真と一緒に来た事、香伊羅が心配しているとあった。



柚奈には話せないな…

また何言うかわかんないし。



保険医が来て、私は 朝から下痢で辛いからと言い休ませてもらうことにした。

ベッドに入って、携帯の音を消していると、葵からメールが来た。


『 どこにいる?』

言えないよ、仮病使って保健室にいるなんて…



『 椿 会いたい 』

私だって会いたい… でも、ダメ。



『 会えないなら もう… 』

え… 葵?



私は布団から出て携帯を読み返す。


会えないなら もうって、何…?


胸騒ぎと 嫌な予感。


「 やだ… やだよ、葵… やだぁ~」

「 俺もやだね。ってか、何がやだ? 椿 」


あ、葵っ!?