お隣さんと内緒の恋話


時間は4時半を回った。

店内に入り、遠慮なく雅を連れ回す。



「 椿ちゃん、見ても買わないって どうなんだ?なんか一つくらいプレゼントするよ 」

「 プレゼント?」


雅くんが私に?


「 欲しいもの、ない? 何でもいいよ。お兄さん、こう見えて 椿ちゃんより金持ってるから~」


当たり前です。

私 学生だし、あるわけないじゃん。


「 ほんとにプレゼントしてくれるの?」

「 いいよ、なーんでも 」


ニコニコして言う雅に、私は嬉しくて 遠慮なく選ぶことにした。

とは言っても 雅は先生、お隣のよしみでは買ってもらうのも気安い。

先生に買ってもらうべきじゃないとも内心思い、選べなくなってきた。


「 雅くん、やっぱり いいよ、プレゼント。見ても特にコレッてのがないし 」

「 遠慮してんの? そんな子だっけ、椿ちゃん 」


んな!? どういう意味よっ


「 信じらんない、ひどい!」

「 ごめん!つい… でも、プレゼントしたいから選んでよ 」



え~… 何を選べばいいの?


店を見て回りながら決めればいいと雅が言い、なかなか決められないまま3階から1階まで来てしまった。