お隣さんと内緒の恋話


壮真が加純に柚奈を好きだと言い切った。

涙する加純はフラれた。

それを見た瞬間、フラッシュバックした光景を思い出す。


壮真に別れようと言われた柚奈の泣き崩れる姿を。


今は あの時の柚奈が加純に変わっただけ。

チクチク痛む気持ち。

私は何も出来ない。



「 加純、ごめん。答えらんなくて悪い、ごめんな 」


壮真… あんたがバカだから!

柚奈と別れなければ こんな事には…



「 加純さん、私もそうだけど、付き合い始めって 戸惑うし、壮真が一番悪いと思う。
だから… 」

「 だから何っ もういい!…絶対 許さないから!」

「 加純さんっ 」



店を飛び出して行ってしまった加純を 私は止められなかった。


もう… これで良かった!にはならなかったなぁ

気が重いよ…



「 壮真、来てくれてありがと。助かった、加純さん引かないし 聞いてくれないし 」


あんたもでしょ、柚奈!


「 大事にならずで良かったよ 」


はあ? 壮真 バカ!


「 普通に大事になったじゃん、何言ってんの? 壮真さ、柚奈と別れた時、柚奈がどんだけ泣いたか… それが今は加純さんに変わっただけだよ、わかんない? もっと ちゃんと謝りなよ!
…て言うか、二人で反省したら? 」



この結果に加純さんは巻き込まれたって事だよ、自分が悪いとかほんとに思ってんのかな…



「 椿、ごめん… とりあえず 壮真は私を選んだって証明されたわけだし、加純さん納得したでしょ 」



柚奈… あんた本気で言ってる?

納得してないから泣いて、許さないって言ったんだよ?

柚奈、それでいいの?

あんなに泣いた時の気持ち忘れたの…