お隣さんと内緒の恋話


柚奈に言われて内心ショックを受けた。

もしかしたら お嫁に行く話以前に 私はキッチリ花嫁修業しないとダメかもしれない。

ズンッと重くなる気分に、私は落ち込む。



「 ちょっと 椿、暗いよ~ 冗談だからぁ 真に受けないでよ~」


真に受けるよ…

葵、ココアすら作らせてくれなかったもん。



「 いつもさ、何とかしなきゃって思うのに… 思うだけで終わっちゃうんだもん 」


悲しいよ…


「 いいから 朝ごはん食べよ!」


頷いてテーブルに座ると 柚奈の作った朝食に驚いた。


なに、この種類の多さは!


「 ここ私ん家だよねぇ?どっかのカフェみたいなんだけど…」


キャベツとハムのサラダに、スクランブルエッグ、トーストからは甘い香り。


「 パン、なんかいい匂いする~」

「 ケーキシロップかけたの、ホットケーキみたいで美味しいよ 」



わざわざ買ったんだ…

私のために? 感動する~

私なんていつもバターだけだもん。



「 柚奈って ママみたい 」

「 え~ やだぁ シロップあげるから使いなよ、どうせ バターだけでしょ 」


も~ 一言余分だし。


柚奈が買った食材の余りを私がもらい、食事の後の時間をどうしようかと話していた。

特に欲しいものがあるわけでもない私と柚奈。


「 暇だし、ブラつく?」

「 そうしよ 」


柚奈は一旦、持ってきている お泊まり道具を家に置きたいからと言って、先に柚奈の家に行く事にした。