柚奈が壮真を見送って 私の自宅に戻ろうと振り返ると、私に気づいた。
「 ちょっと~ 椿、見てたでしょ!」
「 わかっちゃった?ごめん。でも ビックリだよ、どうなってんの 」
「 ん~ とりあえず 帰ろうよ 」
あっ 濁した?
キス見られてバツが悪いかな。
柚奈と自宅に戻ると、柚奈が話してくれる。
見送る柚奈に対して、壮真は自分の中に 柚奈がいることを、別れた事で蓋をしてしまっていたと。
柚奈を壮真も好きだと認め、加純とは別れるから待ってろと言われたと。
「 だから キス?したんだ~ ふぅん 」
「 何よ~ いいでしょ。椿だって同じでしょ~ でもさ、椿のおかげだよ 」
ん?
私のおかげって 何にもしてないけど…
「 私は 壮真との仲を取り持ったわけじゃないよ?」
「 取り持ってくれたの、私がそう言うんだから、感謝してますよ 椿さん 」
「 お、くるしゅうない 」
二人で笑い合うものの、柚奈は 不安を私に打ち明けた。
それは 壮真の今の彼女の加純のこと。
「 椿… 私、ひどいかもしんないけど… 加純さんには壮真と別れてほしい 」
柚奈…
「 そうだね、辛いけど… そうしてもらうしかないよね 」
壮真が柚奈を好きって認めたんだから、仕方ないのかも…
わかってもらうしかないよ…
それから しばらく話をして 私と柚奈は狭いベッドから布団を床にひいて一緒に寝た。

