葵がココアを手に 壮真とリビングに来て 何気ない話をしながら時間は11時になった。
それまで雅から連絡もなく、まだ帰ってこない。
ふいに葵が携帯をチラリと見て ため息つく。
葵… あ、もしかして雅くんからかな?
「 葵、雅くん帰ってくる?」
「 いや、12時には帰るらしい 」
シンデレラか!
どこに行ったんだろ…
って言うか… 誰といるか?
「 んじゃ 俺 帰るわ 」
「 壮真… 」
「 ちゃんと加純と話すから。また学校でな 」
頷く柚奈、私は二人に何も言わずにいた。
柚奈の顔を見れば わかること。
壮真には柚奈の気持ちがちゃんと伝わっている。
「 椿、ありがと。私 壮真をそこまで見送って 先に部屋に戻ってるからね。上山くんもありがとう!」
「 わかった。私もすぐに行くね 」
私は葵の横で 壮真と柚奈を送り出し、部屋には葵とまた二人。
良かった、柚奈… ほんと 良かったぁ
「 椿… 」
「 ん?」
「 俺は 椿だけだから 」
葵……
葵が気持ちを確かめるように私だけだと言う。
もちろん、私の気持ちは葵と同じ。
「 私も 葵だけだよ 」

