お隣さんと内緒の恋話


柚奈の真剣な告白に 壮真は戸惑う。



「 柚奈… わかってると思うけど、加純と付き合ってるから 」

「 好きで付き合ってるわけ? 言われて その場でOKして… 今は本気で好き?」



言われると、返事できない壮真。

柚奈は続けて言う。



「 もし、彼女が壮真を束縛しだしたら別れるの?
させないようにしてるの?
私と別れる選択を選ばずに、話して解決するように、直すよにした事もないのに 加純さんは 許すの?」


柚奈の言うことを振り返れば、束縛するなと、嫌だと話さず 二人で直していこうとしていなかったと壮真は納得する。



「 簡単に別れるのを選んで悪かった… だからって 今 加純と別れるわけにはいかない 」

「 加純さんが 好き?」

「 まぁ、たぶん… 物わかりいいしな、詮索しないし 」


壮真は加純と別れるという気持ちが今はないとわかった柚奈。

加純は物わかりがよく、詮索しないと聞いて、元彼女としてのプライドか、女としてのプライドか…

柚奈は 壮真に 今 加純にメールするよう言った。



「 なんで、マジで? 」

「 女って、猫かぶりなの。可愛く、何でも素直に聞いて たまに拗ねてみたり、甘えたり…
今は加純さんも壮真を縛るはずがないもん。
私と別れた理由を知ってるだろうしね…
試してみたら?
私といるの知っても 物わかり良くしてるかどうか 」


嫌な女かもしれない、それでもいいと思う柚奈。


「 私、壮真を諦めない!」

「 柚… 」

「 お願い、壮真… 私の事、まだ ほんの少しでも好きなら… 」


柚奈の気持ちが伝わるように、壮真は 携帯を手にして 加純にメールする。

柚奈と一緒にいるからと。

5分も経たないうちに加純から電話がかかってきた。


「 加純さんでしょ、出て 」


壮真は柚奈を見てから ゆっくり携帯を耳にあて出た。